うちは窓が常時開けられていて、家の中が外っぽくなっているのか、部屋の角には蜘蛛が住み、廊下で蝉が死に、ガガンボが不器用に舞、ねずみが壁を噛み砕き、挙句居間に白い野良ネコが進入する始末、みんな通り抜けていこうとする。ここ数日で風の感じも変わり、蜘蛛の巣からは主が去り埃っぽく、庭では勢いよく秋の草が芽吹き、夕げの匂いは殊更強く、家はトーンダウンしている。なにもいいことをしてない、している気がしない。傲慢さは夏と共に去るわけではないのか。