午後二時

まだ午後二時だというのに、すでに夕暮れを感じさせる太陽の斜光、もう少しはやく来たら良かった眩しい、日暮れの速さとミスマッチな暖かさ、今年の冬はうんたらかんたらと、寒いの熱いのうんたらかんたら。女鳥羽川沿いの道では、いつもと同じくらいにまばらに人や車が行きかっていて、河岸の原っぱのベンチはいつもと同じように全て空席。いつも、僕は川を見て何かを確かめているわけではないけれど、自然物の移ろいはたんたんと進んで、暮らす人や車の顔かたちは変わっても、自分の印象ってやつは頑なで、これはこうといった安心感や習慣的になった視線のやり方に結構毒されているみたい。橋の下や非常階段が高校生にとってセクシャルだったり、夕方前の強く眩しい手に取れる斜光が何かを隠すのに丁度良かったり、川底の石の感じも昔と随分変わっていて、自分の声の調子とか身体のだるさとかも昔と変わっていて。散歩はたのしいな。