担架ダッシュ

松本ぼんぼんというどうしょうもないお祭りには、松本市消防団として参加した。警備と救護、あとはゴミ箱の点検。昔、ゴミ箱にタバコの吸い殻を捨てたやつがいてぼや騒ぎがあった約20年ほど前から、消防団は参加(動員)されているらしい。それからだんだんと役割が増えて、いまでは結構な負担をしいられている。自分自身は、観察っていうかんじで救護テントの下でおじさんたちとアーダコーダ話して祭りの熱とは無関係な世間話に興じるのは結構好き。毎年、負傷者や酔っぱらいが、道ばたでひっくり返っていて、手持ちサイレンを鳴らし(音頭をかき消すくらい結構でかい音がする)、数人で担架を担ぎ現場に向かうことがある。ひっくり返っているのは、たいていおっさんか飲み過ぎ未成年男子で、やりがいはない。今年は、3歳くらいの女の子が痙攣で倒れていて、こういうのは心配すぎて良い気はしない。たまたま、近くに松本市立病院の隊がいて、道具はないが触診とタオルなどで、スムーズに応急処置がされ救急車に収容でき、プロは凄いと舌を巻いた。手持ちサイレンのせいで音頭が聞こえなくなり、気分に水を差されきょとんとした人々をかき分けて現場に向かうのは、サメになったような気分で結構気持ちがいいのである。主導権はこちらにあるのだ。