生レバー

こないだ生レバーを食べた。6月からの生レバーの提供禁止に関して残念に思う。古今東西の食べ物で、必須なものは何一つ無い。水さえ飲んで、そこにある何かを口にしてさえすればなんとか生きていける。そこに何かがあるということが必須条件なのであって、必須な食べ物はない。目下のところ、個人的な食事は「欲望」と「生命維持」に二分される。「欲望」のコントロールは非常に難しい、なぜなら欲望が暴走している時にこそ快感が得られるので、金は飛び、無駄なカロリーを摂取し不健康要素をさらに獲得することとなり、長い目でみると金を失う。生レバーも間違いなく欲望と密接な食べ物だろう。焼きになるとちょっと話はかわる、中毒のリスクが減る分、その魅力も減る。
肉食は縄文の狩猟採集時代から始まり、たぶんもっと前の猿に近いころからと思うけど、仏教伝来による肉食の忌避を除けば、ずっと続いていた。魚の消費量にくらべれば少なかったようだが、第二次大戦以降の高度経済成長期には魚の消費量を越え、現在は明らかに肉人気で、肉しか食わない人もいるだろう安いし。なにが言いたいかというと、日本人も根は意外と肉食なのだということ。日本=ヘルシーみたいなイメージを広告会社に植え付けられているだけ。家畜を殺して食べることはあまりしなかったが、イノシシや鹿などの野獣を食って来た。それが農学の進化で家畜に変わったということ。話は飛ぶが、イタリアにトマトが伝来したのがだいたい16世紀と言われているが、食用になるのは18世紀のこと。300年くらいの話しだ。イタリア=トマトから考えると、たった300年ともいえる。食性というのは根深くもあり、簡単に変わるものもある。ただ、肉食は個人的には避けたりしても、歴史とDNAを無視してしまうのは難しいと思う。 【推敲中】