熊本へ

 大阪と熊本で弾き語り、ありがとうございました。ライブのための身体はひどく鈍っていて辛かったが、久しぶりの緊張感に高揚しスイッチが入った感があった。曲はライブを続けないとできない。

 熊本の旅行は充実したものだった。震災の影響は色濃く残っている、かの地の友人から移転・閉店の話をよく聞かされた。友人の友人のお店を訪れたり、すこし足を伸ばして天草にもいった。天草の寿司は絶品。会う人みな情がふかくとても居心地がよかった。天草は陶石の産出が日本一で、伊万里唐津なんかの材料を昔から供給しているらしい、もちろん天草にも窯元がたくさんある。丸尾焼きのコップと水の平焼きのコーヒーカップを買った。熊本の人のちょっと遅いんじゃないかというくらいの歩くスピードも帰る頃には馴染んでいて、飛行機でおりたった名古屋は忙しなく感じた。

最後の夜に、中華の名店で3時間待ったが、下元は仕事が終わらず閉店となり、お腹いっぱいで店をでたらそこで山田さんに鉢合わせた。山田さんと下元と南風といった、「きばらし」が旅のハイライトで、天草出身イケメンマスターのBGMを聞きながら、熊本の変な店やお祭りや今度行きたいところについて話しあった。ベックのミューテーションズを久しぶりにきいて、人からもらう音楽の効能についてあらためて考えた。記憶の隅をつつき、あたらしい回路をつなぐために。