日記

新型コロナウイルス感染の影響で町の活力が失われて1ヶ月ほど経った。昨夜コクトーズへ向かう道すがら、目に入る飲食店にはそれなりに人が入っている様子だった。騒ぎが始まって以来、馴染みのお店にはいつもより顔を出すようにしている。流石にいつまでも閉じこもっていられない、今は引きこもって困難をみんなで乗り越えようという日本人に有りがちな逆向きの頑張りが事を深刻にしているようにおもう。長野県は今日4人目の感染者についてプレスリリースを行った。それよりも以前に感染した人は無事快方したのだろうか。おそらく相当数の人が既に感染しているに違いない。

 

世の中全体がシケ状態になったことを肌で感じたのは2011年以来だが、あの頃は自分の住処が無事だったせいでどこか他人の事のような感じだった。募金や災害支援をするなど気持ちを向ける先があったが、今は何をすればいいのかさっぱり分からない。労働者としての枠組みの中でも、この状況を好転させる職権もすべもない。

 

昨夜19:30のコクトーズは満席で20名ほどが食事を楽しんでいた。ウェイターの斎藤さんがいうには昼にはほとんど予約がなかったが、夜はあれよという間に一杯になったそう。安心したような笑顔で飲み物を準備してくれた。厨房では小学校もバスケットも休みになったリンタロウ君が洗い場を一人で仕切っていて頼もしい。カンパリ、フランスの赤ワインサラミ、生ハム、トリッパ、ミネストローネ、厚切りポークのロースト、ペペロンチーノ、ティラミス、コーヒーで締め。トリッパはよく煮込まれていてトマトの甘さと黒胡椒の辛味が絶妙だった。吉成さんは髭が白くなっていた。ビー研のボックスで出会ってからもう19年が経った、7年上の先輩だった。

 

帰り道、それなりに人が出ていてあてのある客待ちのタクシーがクラブの周りでジグザグとハザードを炊いていた。